ABA(応用行動分析)療育は「行動に着目することで相手の心を理解する」という行動分析を、お子さまの支援に応用する「ほめて育てる」アプローチです。

行動の直後に「良い結果」が起きると、その行動が多くなります。(強化)
反対に、行動の直後に「何も起きない」、あるいは「悪い結果」が起きると、その行動は少なくなります。(消去・弱化)

お友達を叩いたり、おもちゃをとったり、お子様が好ましくない行動をとった時に、ついつい叱ったり罰を与えたりして、弱化のアプローチをとりがちです。しかしこのアプローチは暴れたり、隠れて行動するようになったりと、新たな問題行動につながりやすいため、あまりお勧めできません。最も大切なお子様との信頼関係も崩れてしまいます。

叩いたり、物をとったりする行動には、注目をひくため、反応を楽しむため、回避や逃避するためなどの理由や目的があります。

私たちは、その行動をとった理由や目的を踏まえて、同じ目的を達成するための正しい行動(見て、ちょうだい、やめて・・・)を教えます。そしてその正しい行動がとれた時に、それを見逃さずに褒めることを繰り返す(強化する)ことで、適切な行動の定着を図ります。結果として、適切ではない行動が消去・弱化されていきます。

このような対応をその子に合った「遊び」に組み込んで実践することで、日常生活において適切な行動を楽しみながら自然に習得できるように促します。